エピローグ

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ソースが甘口だったけど、百合の作ってくれたハンバーグは旨かった。 「……来るつもりだったの?」 プレゼントの追加のジョイコンとマイクラのソフトを見て、百合が言った。とりあえず、笑って誤魔化して 「はい」 もう一つ、プレゼントを渡す。 「え、何個くれるの? 悪いよ」 「これは、百合に」 そう言って渡した。 これなら、会社にも着けて来れるかなって 小ぶりのピアス。 「わ、可愛い。どう?」 そう言って耳に当てて見る。 「分かんない。つけてみてよ」 俺がそう言うと、左耳に器用に通した。 利き手側は付けにくいのか、モタつく姿に 「貸して」 百合の手からピアスを取ると、そっと差した。思えば、人にピアスをつけた事なんて無い。 「妙に卑猥」 そう言った俺をバシバシ叩く。 「泊まらなくても、出来る、しなぁ」 「……ありがとう、ピアスも」 「うん」 服に手を入れかけたところで止められる。 つか、いつもここで止める。 「何だよ」 「はい」 そう言って、渡された長細い箱には……ネクタイ。 「これなら、会社にして来れるかなって。いつもしてるやつ、女の子からのプレゼントっぽいし」 同じ考え…… それに、焼きもち。あのネクタイ、佳子さんからも言われたっけな。 「ん、じゃあ……これしかしない。今度から」 「うん」 百合が嬉しそうに笑った。 「可愛い」 そう言ってキスを落とす。これも、もう、百合にしか言わない。 絶対。 ……だから…… 「縛っていい?」 ネクタイ片手にそう言った。 「ああ、縛られたいの?」 ……… 今日のところは…… これくらいで。明日、親御さんと会うしな。
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