エピローグ

6/8
前へ
/327ページ
次へ
……クリスマスイヴ当日 明日の我が家のパーティーに、来てくれるか堂本くんに聞いた。 返事より先に長い長いキスをされたもんで、苦しくて涙が滲んだけれど 「すっげぇ、楽しみ」 そう言って、顔に喜びを全力に出して凄く凄く喜んでくれた彼に、今度は違う涙が滲んだ。 ……出来上がった料理をテーブルに並べると 「ハンバーグに、ケチャップでハート書かないの?」 って、真顔で言う。 「それ、オムライスじゃないの?」 「そか。んじゃ、今度はオムライス」 ハート、書いて欲しかったのか。可愛いくて、笑う。 「旨かった。ありがとう」 本当にいつも、彼は嬉しそうに顔でも、言葉でも伝えてくれる。見習わないとな、そう思う。 食事が終わると、渡された包みには ……ジョイコンとゲームソフト。 「……来るつもりだったの?」 彼からの返事は無かったけれど…… 同じ考え…… 同じ気持ち。 それに、嬉しくなった。 “そのうち”が随分早くなってしまったけれど。 いっか。 それに加えて、くれたピアスは……オフィスにもつけて行けそうな物。 もしかしたら…… これも、同じ考えなのかな。私がネクタイを選んだ理由と。 それに、また嬉しくなった。 右耳のピアスをつけてくれた彼が 「妙に卑猥」 そう言った。 そっか……男の人の方が…… ホールに……入れるのは得意…… って、ヤダ! とりあえずバシバシと彼を叩いて今の発想を誤魔化した。
/327ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3784人が本棚に入れています
本棚に追加