R第1話 side D

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「佳子さん、その養成ギプスいつ取れるんですか?」 今日も佳子さんの元へ来て、そう聞いた。 「一応、完璧に取れるのは2ヶ月弱ってとこかなぁ? 何? 鍛えたいの? 階段5段目くらいから落ちたら、こうなれるよ」 「……5段て……小学生ならジャンプで下りてますよ?」 どんくさ。でも、ドジっ子萌え。 「……言うよね……」 「……まぁ、2ヶ月で150キロくらい担げるように鍛えときます」 「何、その数字」 「え? だから……ギプスの100キロに佳子さんの……(たい)……」 (じゅう) その瞬間、その50……くらいの力で引っ張られる。 「そこ、影でイチャつくなよ」 しゃがんで話す俺達に、大友さんがそう言った。 “その2” 「ちょっとセクハラしてただけ」 彼女がそう言って、俺も立ち上がった。 「今のセクハラかぁ。すみません」 「こっちの」 「そっちかい」 「若い男子にそう言われるお年頃。気をつけないとね」 若い、若い言われると傷つくわ。 「仕事終わったら、戻ってね」 相原さんが、俺を押し出す。 “その3” 「あれ? 同期?」 「いや、俺中途だから微妙に……」 「タメだ、ばーか。細かいんだよ。:」 相原さんとは、まともに話した事もない気がするけど…… タメか。 超美少女だけど。 じゃあ、中野と上原さんと同期? 結局そのまま、帰った。帰らされた。 これは、連結プレイってやつ? 後から思えば 吉良さんの牽制は……“その1”だった。
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