R第1話 side D

1/6
3734人が本棚に入れています
本棚に追加
/327ページ

R第1話 side D

俺の頭の中をぐるぐると回っていた言葉を、口から出した。 「ねぇ、やっぱり男は年上がいいの?」 この会社は役職は無いものの、あれば部長クラスだろう有村さんを明らかにで見ていたそこの彼女に聞いた。 俺の言葉に少し、驚いた顔をしたものの 笑って答えた。 「私は、ね」 「ちぇ。どうしようもない事を」 「堂本くんだって、年上じゃない、あの人」 「俺、年上だから好きな訳じゃないよ。佳子さん、若く見えるし」 「諦めろよ、『予約入ってる』って」 有村さんの言葉に言い返す。 「分かってますよ、分かっててどうしようもないんです」 だいたい、営業部は揃い過ぎてる。イケメンが。 何だよ、戦う気も起きない。俺が有村さんくらいならなぁ。 ……なんて。
/327ページ

最初のコメントを投稿しよう!