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「戻りました~。あれ、天崎さんは?」
30分休憩から売り場に帰ってきた紗奈は、3坪ほどのブース内に倫音の姿が見えないことに気づいた。
「聞いてよ、紗奈ちゃん。天崎さんったら、元彼と運命の再会!」
「元彼!?」
「そうよぉ。だから私、機転を利かせて、今日は早退させたの。今頃、2人で仲むつまじくナタデココを摘まんでるわよ!」
「元彼って…天崎さんは処女だって、店長言いきってませんでしたっけ」
「あら、そうだったかしら? たまには外れることもあるのよ、私の勘も」
慧眼に優れている珠輝が見当を外すなんて…と紗奈は首を捻ったが、あっさりと自身の発言を却下したことには「店長らしいですね」と頷いた。
この思い込みが思わぬ出来事の引き金になろうとは、誰も知る由がなかったのだけれど。
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