プロローグ

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------------------------------ 真昼のオフィス街。 リクルートスーツに身を包んだ女子大生は、模範通りに面接室の扉をノックする。 「どうぞ」 入室許可が下りると、彼女は模範通り丁寧に自身の身を部屋へと滑り込ませ、静かに、けれど速やかに扉を締める。 揃いのような髪型とスーツ姿でズラリと並んだ面接官たちに30度の角度でお辞儀をすると、中央に座っていた1人が口を開いた。 「お名前を、どうぞ」 質問を投げた面接官に(おもて)を上げながら、凛としたよく通る声で、彼女は答える。 「天崎倫音(あまさき りんね)と申します」
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