46人が本棚に入れています
本棚に追加
------------------------------
真昼のオフィス街。
リクルートスーツに身を包んだ女子大生は、模範通りに面接室の扉をノックする。
「どうぞ」
入室許可が下りると、彼女は模範通り丁寧に自身の身を部屋へと滑り込ませ、静かに、けれど速やかに扉を締める。
揃いのような髪型とスーツ姿でズラリと並んだ面接官たちに30度の角度でお辞儀をすると、中央に座っていた1人が口を開いた。
「お名前を、どうぞ」
質問を投げた面接官に面を上げながら、凛としたよく通る声で、彼女は答える。
「天崎倫音と申します」
最初のコメントを投稿しよう!