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「あの場に現れたのは偶然ではないですよね」
数日前、並んで豚まんを食べた河川敷にて、2人は再び腰を下ろす。
「ターゲットは、『かや乃寿司』の店長ですか?」
観念したかのように、タカシは上着の内ポケットから茶封筒を取り出し、倫音に差し出した。
資料と共に、何枚かの写真が滑り落ちる。
つい今しがた目にした黒いミニバンの車内で、男と女が密会している様子が写し出されていた。
運転席には、当然佐田が座っている。
そして、覆い被さるように抱きついている女は…
「そっち!?」
予想外の絵面に、写真を握りしめながら、倫音は目を見張った。
インパクト絶大な、カミナリ様状のパンチカーリーヘア。
『かや乃寿司のパートのオバサンが、若い男好きって…』
紗奈から伝え聞いた噂話が耳元に蘇る。
車中で明らかにいかがわしい行為に及んでいたのは、照明交換の一件で何かとイチャモンをつけてきた『かや乃寿司』パート店員のノブコだった。
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