働く意思=早期離脱 それって本当ですか?

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働く意思=早期離脱 それって本当ですか?

結構まかり通っているようで、びっくりしちゃいます。 結論から言えばほぼ完全に間違いで「働く意思が強い=早期離脱」ではなく 「受給理由ののっぴきならなさ加減=離脱が事実上不可能な可能性の高さ」だと思います。 でもネットのニュース記事を読むと「早期離脱で働く意思を取り戻せ」「一度でも受給すると、人間としてダメになる。再出発が出来ないひきこもりニートになってしまう」etc……。 現状、受給者さんの割合は、高齢者、障害者、傷病者がトップ3とのこと。 いくら本人に働く意思があっても、高齢の上に重い持病を抱えている人が、果たして本当に離脱出来るんでしょうかね? 障害者の方は? 心身いずれかの要因で、就職先にどうしても制限が出ます。 フルタイムで、健常者と同じ収入を得ることが困難なケースが多いのではないでしょうか。 傷病者も、手術が成功したら、すぐに今迄通りの生活に戻れる訳ではありません。 体調が戻るまで、年単位で時間がかかります。 ワタシは手術後やっと2年が経過しましたが、無理して動き回った結果か、現在も目の感染症にかかり、先月は足の腱が炎症を起こし、その2カ月前に四十肩、その前に指の感染症……ふらつきで打撲、風邪もその間しょっちゅうです。 手術前には考えられないペースで、何かしら不調が連鎖しています。 健康が取り柄だったんだけどねぇ。うーむ。 傷病者も、無理せず年単位で休む必要があります。 ワタシは中高年になるこの歳まで、生活保護を受けずに暮らしてきました。 周囲に受給者も居なかったので、生活保護といってもあまりピンとは来なくて。 でも、その時は「病気の人が受給するもの」というイメージでした。 昔本で読んだ、結核とかサナトリウムのイメージですねー。 呼吸器や心臓、循環器に病気が起きると、長い間治療を受けないといけません。 当然フルタイムでは働けなくなりますから、何処かでサポートが必要になる。 なので基本的に離脱のイメージが無く、離脱するにしても何十年もかけて無理なく復帰していく感じを想像していました。 税金は払っていましたが、別に不平等を感じたこともなく。 だって生活弱者が居ようが居まいが、納税は憲法にも明記された国民の義務だしね。 生活保護離脱者が増えたとしても、どうせ税金は安くなんねーだろーし。 だったらむしろ、病気で困っている人に使って欲しい。 なんで最近目にする、生活保護費を楽して遊んで暮らすニートにかけるな。 離脱を推奨しよう! みたいなのに、どうしても違和感ありまくりなのです。ワタシ的にはね。 生活保護の可能性が出てきて、ワタシはまず手術の前に役所に相談したんですが。 その時まで、ワタシは生活保護とは傷病手当のようなものだと思っていて。 受給期間は、働けないものだと思っていました。 離脱してから働くもの、だと思っていた訳ですね。 実際には、最低限生活出来る金額というボーダーラインがあって。 それより少ない分だけ、生活保護費として申請すれば受給されるシステムのようです。 (……という、役所の人の説明でした) なので、受給者が全て完全ニートという訳ではなく。 受給者と非受給者の間に、必ずしも明確な違いがあるという訳ではないようですよ。 ひきこもりの社会不適合ニートさんも、居るには居るのかも知れませんが。 役所の保護窓口に来る方も、殆どが普通の人達ですね。 若干疲れてそうに見えたり、見て分かるような身体障害をお持ちの方もいますが。 とても社会人としてのコミュニケーション・レベルに問題があるとは思えない人達です。 体力的な問題で短時間ですが、実際に働いている人達もたくさん居ます。 ただオトナ自閉症や、統合失調、うつ病、高齢者の認知症などは、行動がエキセントリック過ぎるせいで目立ってしまうため、どうしても生活保護受給者への誤解と偏見を生んでしまうのかも知れません。 こういう方は、働く意思というより、投薬や通院リハビリ、行動療法をしっかり受けないと日常生活が困難になります。 逆に言えば、行政には何も出来ることはありません。 「ケースワーカーさんが定期的に見守ってくれるから、安心よねー」 と思われるかも知れませんが、実際には月1でお宅訪問したところで、何かあってもケースワーカーは恐らくくその役にも立ちません。 とはいえ、ご存知の通り、生活保護には沢山のお金がかかっています。 恐らく、身体が健康でも終戦直後で焼け野原、仕事が無い。流通が止まって食べる物がない。 といった生活保護スタート時から、システムを変えずにきたため、現在の状況にはマッチしていないのでしょう。 身体が健康なら、働く場所さえあれば早期離脱は可能だったことでしょう。 しかし現在、受給者の多くは直近での離脱がほぼ不可能に近い状態です。 何の理由もなく、生活保護は受給出来ませんから。 なので、実現不可能なことをケースワーカーから言われ続けても、受給者には何とも答えようがありません。 過去には、ケースワーカーからの受給者に対する暴言事件も何度か起きています。 ケースワーカーには、受給者を社会復帰させ離脱させるため、指導を行わないといけないそうですね。 どこかで履き違えてしまう人は、今後も増えるのではないかと思います。 水際対策で締め出すより。 ニートは働け。さっさと離脱して自活しろ、と追い出し強化するより。 受給者が短時間シフトでも、短期バイトでも、職業訓練所でも良いので。 無理のない範囲で、働ける分働いて、税金の出費を軽くした方が現実的な方向ではないかと思います。 一部、自治体で就労サポートを行っているようですが、聞いた限りではほぼニート対策な様子です。 ── 1年以内に早期離脱を。 受給が長くなると、働く意思が失われて、社会復帰が出来なくなる。 これ、完全にひきこもり対策ですよね。 抗ガン剤治療中とか、ハーセプチン治療中だが薬が合わなくてツライとか。 怪我や病気で理不尽に仕事を追われ、病気や怪我のショックから抜けきれていない、さらに自分の子供くらいの年齢のケースワーカーやテレビのニュースでは、理不尽な偏見や暴言を受ける。そんな日々で。 働く意思の前に、これではそもそも心が折れてしまいそう。 そんな受給者さん達がこれを見たら、どう思うのでしょうね。 時々、そう思ってしまう。 少なくとも、このシステムはそろそろ一部でも変えていった方が、より多くの人が幸せになれるんじゃないかな、と。 あーちゃんは、そんな風に思うのです。
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