お金のはなし〜生活保護離脱のリアル〜

いっぺん受けたら辞められねえ、はホント！？

── 働かなくても生活出来る様になると、あくせく働くのがイヤになるんだよね。

結構、この誤解って横行してるんじゃないかしらね……。
結論から言うと、半分あたりで半分はずれ、だと思います。

勿論、ワタシも給料日前になると
「あーあ、働かないで、給料が勝手に入って来ないかなぁ〜今月苦しいんだよな〜」
なんて罰当たりな戯言を、喫煙所などでほざきまくっておりましたが……。とほほ。
一人の人間に半分そう言う気持ちがある、と言う訳ではなく。
受給の原因が何なのかにより、離脱したい派と離脱したくない派に分かれる。
と、言うのが本当のところじゃないかと思います。

生活保護のシステム上【最低限の文化的な生活が営める範囲】と言うのがあります。
ワタシの場合、単身者なので住んでいる地域の基準から約10万円いくかいかないかくらいの金額を毎月受け取っています。
家賃、光熱費、電話が無いと通院も仕事も出来ませんから携帯電話の使用料。
これらは市に直接請求出来ないので、一旦現金の形で入金され、受給者の口座から引き落とされます。
── 決してお小遣いが月10万円、と言う訳ではありません。
多分、3万円ほどだったと思いますが。そこから更に食費を賄います。
トイレットペーパー、お米、塩砂糖醤油、台所洗剤、蛍光灯、掃除用スポンジetc…。
親に養って貰っている完全ニートでも無い限り、それらには全てお金がかかります。
雑費が恐らく、一番かかると思います。

なんやかんやで、ワタシはやりくりが上手くいった月なら、約一万円ほど貯金しています。

生活保護受給者が、貯金などけしからん！
と、言われちゃいそうですね。
しかしながら、実は残しておかないと、何かあれば簡単に詰んじゃうのです。

最低限の生活に入らない出費を、市は入金してはくれません。
当たり前、と言われそうですが。
家計を切り盛りしたことがある人なら、生活する上で意外と様々なことでお金が出て行く、と知っているかと思います。

洗濯機や炊飯器の故障、落としてスマホを割ってしまう、アパートの契約更新、急な葬式……。

普通の方なら、出費が多い月だけ残業したり、短期アルバイトなどと併用で乗り切れるかも知れませんが。
生活保護受給者は、10万円なら10万円を超える金額は市に返還しないとなりません。
次の月も、その次の月もです。
増えることはありません。
そして受給前の貯金は、全て使い果たしていないと生活保護そのものが受給出来ません。
金額が大きくなると、少しずつ貯金しておかないと支払い切れない可能性があります。
生活保護受給し始めの頃、これが一番怖かったですね。

やりくりが大変だし、毎月煩わしい書類提出が必要。偏見も多い。
ハタから見るほど、生活保護者の生活はラクではありません。
出来れば、早く離脱したい。
結構、切実な悩みという受給者も多いのではないかと思います。

一方で、離脱したくない派は、なんらかの形で誰かが生活の面倒を見てくれている人でしょうか。
生活の苦しい人達を組織的に集めて、月1万か2万だけ本人に渡して、残りは搾取とか？
あと、こっそりカノジョや親が、定期的に身の回りのことをしてくれる人とか？

ハテ……それ、そもそも受給させた役所の人が悪いんではないかな？？
恐らく、正確に申告してなかったケースだよ。
水際対策で困っている人を追い出す前に、ちゃんと確認しないとさ。
受給してる人みんなが、偏見で迷惑しちゃう。

ちなみになんですが。
働きながら受給している人や、受給しているけど社会保険証所持者。
マジで結構な人数います。多分。

恐らくなんだけど……学校を卒業して、まだ一度も社会に出て働いたことが無い人以外。
殆どの人は、受給前まで普通に働いて生計を立てていたと思います。
まあブランクが多少あるので、再就職に不安を感じる人は多いかも知れませんが。

ワタシは2年、受給してから社会復帰してますが……。
モチベーションが変わったか？
と言われても「正直、全く何も変わらないんと違う？」と言う感じ。

良くも悪くも「あー、今月勝手に給料が振り込まれてないかなぁ〜」と新しい会社の喫煙所でボヤく日々が続きそうですね。