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次の日からスマさんの言った通り台風が来た。
これがとんでもない暴風雨をもたらし、あちこち雨漏りが生じて、その度にスマさんはバケツを置いて回っていた。
ポンッポンッと規則的にバケツを叩く雨音も、二日目には段々心地よくなっていた。
台風から三日目の今日は、風は止んだものの雨はまだ止む気配がない。今日も雨が滴る音が家の中に響いている。
朝食に茶粥を食べたスマさんは、いつも持ち歩いている小さな鞄に財布と家の鍵を入れて、玄関で靴を履いた。
「ちょっと出かけて来るよ。留守番頼んだよ。昨日よりは体調も良いし、帰ったら久しぶりにパンを作ろうね」
浅黄色の着物に身を包み「じゃあ行ってくるね」と、出て行った。
溢れていた荷物もきちんと片付けられた家はとても広く感じる。
部屋の隅にある水を飲み、定位置である箪笥横の座布団に丸まってひと眠りすることにした。
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