僕とスマさんのゆるい毎日

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ぽつん、と鼻先に雨が当たる。

また雨が降る。

あぁ、嫌だ。雨は嫌いだ。

僕が独りぼっちになったのも、雨のせいだ。

雨が僕の飼い主だった人を殺した。

雨のせいで車が滑って、電信柱にぶつかったあの人はそのまま死んでしまったんだ。

柔らかくて、いつも良い匂いのしていた綾ちゃん。

まだまだ若くて、憧れの保育士になれて喜んでいた矢先の別れだった。

いつもニコニコと太陽みたいな笑顔が印象的な綾ちゃんは、冷たくて、冷たくて。

どれだけ呼んでも、おでこをすり寄せても、泣いても。綾ちゃんが僕に笑いかけてくれることは無かった。

『ずっと一緒だよ』

綾ちゃんは目を三日月みたいに細め、僕の体に抱き着いて頬ずりした。

温かい、ずっとその腕に抱かれていたいと、僕もいっぱい綾ちゃんの頬を舐めた。