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家に帰った私は、先輩の言った通り借りてきた本の、あの栞の挟まれているページを開いた。そこには、フクロウの雄が雌にするある行動が書かれていた。
――梟の雄は求婚する際に、雌へと食料を運ぶ――
その一文を見た瞬間、口の中にあの甘いイチゴの味がよみがえる。あれはいったいどういう意味だったのだろうか。まさか、そんな、もしかして……。
思い返せば、先輩が栞をつけていたページにはフクロウの雄がどうやってメスを射止めるかが書かれていた気がする。
あれは、今日の日のための、布石だったというのだろうか。先輩の、とっておきの切り札……?
全ては私の妄想かもしれない。都合よく受け取りすぎているだけかもしれない。
でも、とりあえず明日は先輩の隣で、先輩のおすすめの本を読んでみようと思う。出された宿題の、答え合わせをしながら――。
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