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後ずさる僕達の目の前にドアを開けて現れたのは、教育指導の先生だった。虚をつかれたのは向こうも同じだったようで、一瞬の沈黙のあと、学校中に轟くくらいの怒号が響いた。
「ヤバイ、逃げよ!」
僕は自分でも驚くほど自然に夏鈴の手を握り、先生をすり抜けて階段を駆け下りる。今日、晴天の下で生まれ変わった僕と夏鈴にこの先どんな未来が待っているのかはわからない。ただ、おそらくは停学か退学から始まる前途多難な道になるだろう。僕達は走りながら目を合わせて笑った。
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