口づけとひこうき雲

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 自殺するのにふさわしい日というのはどんな日だろう。世界に、世間に絶望し、自ら命を絶つ。数ある方法の中から飛び降りを選んだ僕が最後に目にするのは空だろう。僕にとってはクソみたいな世界だったけど、最後くらい曇天ではなく透き通るような青空を見て死んでいきたい。そういうわけで雲一つない青空の下、僕は高校の屋上から体育の授業で校庭を走る同級生達を見下ろしていた。
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