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或る日も餌を十分食べられませんので腹を空かしていますと、リスのポンタがするするっと木から下りてやって来ました。
「おいおい、ゴンタどん、どうしたんだい、元気がないね。」
「ああ、ポンタ君か、どうもねえ・・・」
「どうもねえじゃ分からないよ。どうしたんだい?」
「いや、実はその・・・お恥ずかしい話なんだが・・・」
「何だい、言ってごらんよ。絶対笑わないから。」
「そうかい、それなら言うけど腹が減ってどうしようもないんだ。」
「どうしようもないって君の大好きなアカシアの木がここにもあそこにも生えてるじゃないか!」
「そうなんだけど高いところのおいしい葉っぱは他のオスに食べられちゃうし、低いところのおいしい葉っぱはメスの物だから食べちゃあいけないし・・・まあ、そんなわけで、どうにも十分食べられないんだ。」
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