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男「それは、…………死ねる」
女「え ? ! なんで ! ! 」
天の声「あ、あー……今の芽衣さんの台詞が嬉しすぎて死ねるっと、そう言うことですか…………爆発してしまえ(小声)」
男「何サラッと「残りの人生あげる」とか言っちゃうんですか……」
浪川は赤面しそっぽを向いた。
天の声「もう、早いとこ指輪を買いに行きなさいな」
男「……指輪は記念日に買う」
女「え ? ! 」
天の声「ちょっ ! 焚き付けたの私ですけど、それ言って良いんですか ? !
サプライズ的な奴なのでは ? ! ! 」
男「なんなら、クリスマスっす。はい」
天の声「いや、だから ! ! 」
女「……嬉しい。楽しみにしてるね」
慌てふためく天の声とは対称的に、芽衣は穏やかな微笑みを雫に返した。
男「……寝る。おやすみ」
女「あ、うん。じゃあ、ボクは……」
男「え ? ……寝るまで側に居てくんないの ? 」
女「 ! ……わかった。雫が寝るまで側に居るね」
男「ありがとう」
二階の寝室へ向かう二人。敷きっぱなしの布団に横になる浪川、その横に花咲が座る。
天の声「いや、まさか逆プロポーズが聞けるとは思いませんでしたね……」
男「……え ? お前、まだ居たの ? 」
天の声「え ? はい ?
私、帰るなんて一言も言ってませんよ ? 」
男「いや、空気読めよ……」
女「あ、冷蔵庫に冷えピタあったよね ?
ボク取ってくるから、天の声さん雫とお話してて」
天の声「はい。かしこまりました」
男「ええー……」
花咲は階段を下りて行く。少しの沈黙の後、天の声が話し出す。
天の声「しかし、芽衣さんは本当に可愛らしいですね。
初デートの時も遊園地のパレードに合わせて歌ってましたし……将来子供が出来たら二人で歌ってそうですよね」
男「待って、それ微笑まし過ぎる……」
天の声「そして、その様子を雫くんが見守り……芽衣さんと声そっくりの娘さんが「パパも歌って ! 」って言うんですよ !
もう、絶対に可愛いじゃないですか ? 」
男「それは……歌うしかないやつじゃん。……なにそれ、楽しそう」
天の声「……そんな未来の為にも君は余り無茶し過ぎちゃだめですよ ?
傷ついた君を芽衣さんが助けてくれたんですから、次は君が芽衣さんを守る番ですよ ! 」
男「……だな。…………なんか、眠く……なってきた…………」
天の声「おやすみなさい。良い夢を」
静かな寝息を立て始めた浪川。
女「あれ ? 雫、寝ちゃってる。
……天の声さん ? 」
花咲が呼びかけるが、返事が返ってくることはなかった。
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