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"背後で、俺を笑う二人_羽山と仲村。
この二人は、出身の中学が同じである。
二人について、簡単な登場人物説明をしようと思う。
とりあえず、俺は、
羽山と仲村をいつも二人で一つとして、認識している。
俺にとって、この二人に違いなど無い。
認識する価値のある違いは、俺の視点においては、無い。
俺の視点からすれば、
彼らは、いつも人を馬鹿にして笑い合うことを生き方としている、
正体不明の奇妙な生命体だ。
俺が笑われる対象になることが多いが、
関わることは、基本、無い。
その為か、俺と言う人間は、俺の知らないところで、
彼らの中で、勝手に定義付けられている気がするのだ。
「妄想の中に居るまま、意味の分からぬことを話している人物」と、こんな具合だろうか?
彼らの中の話であるのに、
俺に対してのこの定義が、
俺にとって、目をそらさなければいけない。
目をそらしたくなる。
そんなことが、少し苦しい。
正直に言って、
出来れば、彼らとは、同じクラスに、同じ高校になりたくなかった。
だが、だからといって、転校する計画が現在あるわけではない。
とりあえずは、今まで通り、関わらない。
それだけだ。"
「後ろの二人、知り合い?」
"隣の席のコイツが尋ねてくる。
この馬鹿!
関わりたくねぇーんだよ!
俺は、人指し指を口の前に立て、
牙を見せて威嚇するように歯を見せる。
勿論、「シッ」なんて、音をたてたりしない。"
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