第一部 何で

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"背後で、俺を笑う二人_羽山と仲村。 この二人は、出身の中学が同じである。 二人について、簡単な登場人物説明をしようと思う。 とりあえず、俺は、 羽山と仲村をいつも二人で一つとして、認識している。 俺にとって、この二人に違いなど無い。 認識する価値のある違いは、俺の視点においては、無い。 俺の視点からすれば、 彼らは、いつも人を馬鹿にして笑い合うことを生き方としている、 正体不明の奇妙な生命体だ。 俺が笑われる対象になることが多いが、 関わることは、基本、無い。 その為か、俺と言う人間は、俺の知らないところで、 彼らの中で、勝手に定義付けられている気がするのだ。 「妄想の中に居るまま、意味の分からぬことを話している人物」と、こんな具合だろうか? 彼らの中の話であるのに、 俺に対してのこの定義が、 俺にとって、目をそらさなければいけない。 目をそらしたくなる。 そんなことが、少し苦しい。 正直に言って、 出来れば、彼らとは、同じクラスに、同じ高校になりたくなかった。 だが、だからといって、転校する計画が現在あるわけではない。 とりあえずは、今まで通り、関わらない。 それだけだ。" 「後ろの二人、知り合い?」 "隣の席のコイツが尋ねてくる。 この馬鹿! 関わりたくねぇーんだよ! 俺は、人指し指を口の前に立て、 牙を見せて威嚇するように歯を見せる。 勿論、「シッ」なんて、音をたてたりしない。"
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