第一部 何で

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カタッ カタッ "下駄箱で、上履きから革靴に履き替えたら、 そんな足音がしたので、 立ち止まった。 普段は、しない音だ。 上履きでは、鳴らない、 上履きでは、気づかない歩き方。 俺は、そんな歩き方をしていたらしい。" ──そんな... "嘘だろ...とは、呟かなかった。 それを言えば、嘘になってしまうからだ。 俺は、嘘を付かない。 再び、歩き出す。" "しかし、カタカタと、足音はしない。 普通に歩けば、しない音。 その歩き方は、意識的ではなく、 無意識に、行われる。 感情の影響を受けて。" カタッ カタッ カタッ カタ_______ "俺の感情が、不安定だと、言っていた。 家も近いし、走る________。"
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