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白紙のホンノ
「ぼくらはみんなつくるもの。つくるものだからつくるんだ♪」
エブリステラ魔法幼稚園の園児たちは『ぼくらはみんなつくってる』を合唱する。園長ツクルモノが作詞作曲した歌だ。
「かみきれに鉛筆で、描いてみれば、なんでも作れる、ぼくらクリエーター。ガラケだって、ガラホだって、スマートフォンだって、みんなみんな作っているんだ、友だちなんだ」
「はいみんな、今日もよく歌えましたね。それでは今日も楽しい創作を始めましょう」
園長ツクルモノはピアノの演奏を終えると、紙を園児たちのテーブルに一枚ずつ配る。
園児たちには召喚魔法を使う才能が眠っているので、紙に好きな絵を書き、色を塗り、召喚することで、その才能を引き出している。そうすることにより、子供たちの輝かしい将来の夢の実現を手伝おう。エブリステラの魔法文科省は決めている。
「出でよ。サファイアドラゴン!」
絵に書いた魔法生物を召喚獣のように使役する園児もいれば......
「かかってこい、エクスカリバーで対抗だっ!」
書いた伝説の武器を道具のように出して遊ぶ生徒もいるが、園児たちはまだ発展途上。ドラゴンの皮膚や鱗の質感や体の動かしかた。武器の素材や重量を知らないので、手足の生えた蛇や、玩具の剣しか出せない。
「なんだ? 俺のサファイアドラゴン。火が吹けないぞ」
「こっちのエクスカリバーも、腐ったバナナみたいにへちゃげた。なんで?」
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