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「すぐ読んじゃいそう」
「寝不足で、授業中寝るなよ」
「寝そう……」
「寝るなっ!」
先輩のツッコミも嬉しい。
その後、いつものように図書室の鍵を戻してから帰途につく。ここ最近は、毎日先輩が家まで送ってくれている。
私は隣で歩く先輩をそっと見上げ、ふと思った。
藤沢先輩は、私をどう思っているんだろう?
私が先輩を想うのと、先輩が私を思うのは、きっと違う。……同じだったらいいのに。
そんなことを考えてしまい、私は慌てて頭を振った。先輩があまりに優しいから、私は贅沢になってしまっている。
「どうした?」
「何でもないです」
「何だよ、気になる」
「何でもないですってば」
「さっきはオレに言わせたくせに。平井も言えよ。じゃないと、嫌がらせするぞ」
「どんな?」
私の問いに、先輩は少し考え、言った。
「一晩中メッセージを送り続ける」
「私がさっき言ったのと一緒じゃないですか!」
「それが一番の嫌がらせだと思って」
先輩、わかってないですよ。私にとってそれは、嫌がらせじゃありません。
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