まえがき

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まえがき

ㅤ金魚は一言で表せば頽廃(デカダンス)であろう。金魚は人工的に作り出され、人間の手を離れては存在できない美しくもグロテスクな生き物である。願わくば、筆者も金魚のようにありたいものだ。 ㅤさて、この物語は幻想文学である。  幻想は、現実を支え説得し、改変することができる。それがどれほどあえかで隠されたかたちであろうとも。現実によって損なわれてしまうほど脆弱ならば、それは妄想に過ぎない。 ㅤ筆者はこの物語を紡ぐことによって、我が幻想を現実たらしめんことを切に願う。 平成丗一年四月廿七日ㅤ五百藏ㅤ拝
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