百、ツの願イ

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若い頃はブイブイ言わせていた叔父が死んだとの事で、遺された家の片付けは、一番若くて暇そうにしている大学生の俺に押し付けられた。 死因、心不全。 孤独な男の突然死の代償は、幼い頃プラモデルを山ほど買って貰った甥っ子に支払わされる、極めて自然なことだ。 オッケー、大丈夫。俺は出来る。 たとえ亡くなった部屋の片付けであっても苦もなく行えるし、十歳を過ぎる頃には会話すら無くなっていた相手でも、恩があるのだと命令されればやる。やれる。やります。やれる男なのだ俺は。
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