Honey in a bottle

25/32
6708人が本棚に入れています
本棚に追加
/422ページ
「またハトマメになってますけど、何か?」 呆れたように笑って、顔をこっちへ向けた。 「イケメンだからって見すぎ」 「ち、違うわよ!寂しい独身OLじゃなくなって良かったねー、とか言うのかと思ってたから」 「言われたいんだ?ドM…」 なっ!! やっぱり意地悪だ!!! 思わずバシッと肩を叩くと、アハハと顔をクシャっとして笑う。 あぁ……悔しいけれど、可愛い。 やっぱり私は、この人の破壊力満点の笑顔が好きなんだなぁ。 なんだろう。 胸がくすぐったくて温かくなるような、不思議な気持ちになる。 「で?思ってる事は言えたの?」 「うん!色々と聞いてみないと分からないよね。付き合いが長いからって、分かり合ってるなんて大間違い!」 「まぁね。人なんて分からないものだよ」 …………ん? 彼の言葉から、また闇が垣間見える。 「ねぇ、もしかして人を信用できないの?」 思わず聞いてしまった。 その儚げなな横顔は何を考えているのか。 奏士は手に持っていたビアグラスを置いた。
/422ページ

最初のコメントを投稿しよう!