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「またハトマメになってますけど、何か?」
呆れたように笑って、顔をこっちへ向けた。
「イケメンだからって見すぎ」
「ち、違うわよ!寂しい独身OLじゃなくなって良かったねー、とか言うのかと思ってたから」
「言われたいんだ?ドM…」
なっ!!
やっぱり意地悪だ!!!
思わずバシッと肩を叩くと、アハハと顔をクシャっとして笑う。
あぁ……悔しいけれど、可愛い。
やっぱり私は、この人の破壊力満点の笑顔が好きなんだなぁ。
なんだろう。
胸がくすぐったくて温かくなるような、不思議な気持ちになる。
「で?思ってる事は言えたの?」
「うん!色々と聞いてみないと分からないよね。付き合いが長いからって、分かり合ってるなんて大間違い!」
「まぁね。人なんて分からないものだよ」
…………ん?
彼の言葉から、また闇が垣間見える。
「ねぇ、もしかして人を信用できないの?」
思わず聞いてしまった。
その儚げなな横顔は何を考えているのか。
奏士は手に持っていたビアグラスを置いた。
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