Honey in a bottle

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「奏士さん、聞いた?恋愛は幸せなんだって」 私の答えに満足気なルイ君は、隣で興味なさそうにビールを飲んでいる奏士にターゲットを変更した。 「ふーん」 「僕、奏士さんが人を好きになるの見てみたいなー」 すごいぞルイ!! イジワルかつ可愛くねだるなんて高度な技術!! 小悪魔はこんな所にいた。 私なら跳ね返されてしまう壁をアッサリ越えて、突っ込んだ事を言えるのも、2人の関係性ならではなんだろうけど。 「わ、私も見たい!!!」 はぁ? 思いっきり怪訝な顔をした奏士が私を見た。 この大船…、いや小悪魔船「ルイ号」に便乗しないと、奏士の事は何も知る事ができないと思った。 「人を好きになった事あるの?」 「あるに決まってんだろ!」 「………女性?」 私の質問に、ルイ君と奏士は吹き出した。 「アハハ。あさひさん、おかしー!奏士さんって男性にもモテるけどね!」 「なるほどなー。これからはその線で行こうかな。いや、でも会社とか取引先で噂になったら面倒だな……」 顎に手を当て、ブツブツ言っている。 「だって、女の人が嫌いなんでしょ?」 「アナタ、女じゃん。別に嫌いじゃないよ」 ニコッと微笑む。 心臓がドキンと撃ち抜かれるように、衝撃が走る破壊力に、クラクラと目眩がする。 ここにも、小悪魔という可愛いものではなく悪魔が存在していた。
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