今世 Ⅰ《幼少期》〜清水 千佳の人生の始まり〜

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俺は成長し、2歳と11ヶ月を迎えた。 この頃、弟が産まれた。 この時は、話したり聞いたり、汚いけど書いたり、平仮名や片仮名は読めるようになった振りをしていた。この歳で漢字を書いたり、計算をバリバリこなしていたら、怖いしw あとは首が座り、自力で歩けるようになった。 全ての赤ん坊がこの過程をクリアしてきた訳だからな、すげぇよ赤ん坊。 驚かれたのが、魚の食べ方。 前世では少しでも残したら、親父からすぐに蹴られていたから、俺には綺麗に食べるくせがついている。だからだろうか、俺が食べたあとの魚の姿によく驚かれた。 前世からの影響か、女になった影響かはわからないが、 自然と弟の世話をするようになった。 兄が俺にしてくれていた接し方を参考にしつつ、俺なりの「姉らしさ」を意識した。 …あくまで俺の中での姉のイメージなのだが。 保育園にも行きだした。 俺は再び前世のような死に方はしたくなかった。その為に、まずは「読書っ子」になることにした。今でいうインドア派だ。 幼少期の外遊びが、俺にとっては死亡フラグだからな。小さいうちに摘んでおかねーと。 そのせいか昼寝の時間はなかなか眠れなかった。とはいえ、男子高校生の体と幼女の体は勝手が違うわけで、必要な睡眠量も自ずと変わってくる。なので俺は目を瞑ることを心がけた。 …疲労は睡眠への導入剤だとつくづく思った。 一応弁明しておくが、平日のほとんどを幼児たちと過ごしているからっといって、幼児性愛に目覚めたわけではない。前世がどうであれ、彼らは今の俺の同級生だ。幼少の者に対する「可愛さ」「いとおしい」といった感情はもつが、それらは英語で言うライク(like)であり、ラブ(love)ではないからご安心を。
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