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「…なにしろ、昔の話だ…要するに、米倉は、当社を手放したが、影響力は残しておきたかったんだろう…株式を手放したフリをして、授業員から買い取ったんだ…まさに裏ワザだな…」
「…裏ワザ?…」
「…米倉がそこまでして、当社の株式を手放したくなかったのは、当社が、いずれ、化けるというか、大きくなると思う先見の明があったんだろう…当社は、米倉一族の目論見通り、戦後急成長した…」
「…」
「…と、ここまでが、ボクが、なぜ米倉一族に、力を貸さなければならなかったのかの説明だ…」
私は、
「…」
と、黙って、溝口の言葉に頷いた。
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