中村君の正体

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中村君の正体

 そこへ、  「…つまり、溝口部長は、米倉さんに、頼まれて断り切れなかったということですか?…」  隣の、中村君が口を挟んだ。  「…そういうことだ…」  溝口が、憮然とした表情で言う。  部外者の中村君が、口を挟んだことが、溝口の心情を害したのかもしれない…  私は、  「…中村君…」  と、たしなめたかったが、さすがに、それはできなかった…  さすがに、溝口の前で、それはできない…  
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