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言われてみれば、全くもってその通りだ。
包丁で切ったのは指、バッティングセンターでボールにぶつけたのも指。
足首は3年連続ねんざ。足の小指は何度痛みに耐えてきたことか。
反対に顔や胴体は全く傷がない。
幼いころにまぶたを切ったことと、石油ストーブに座ってやけどしたことはあるが……。
それは多分、年齢によるところだと思う。
あと、積雪で凍った路面を歩いて、すってんころりんすることは大人になっても何回かあった。
(東京は雪が積もると、翌朝には凍って何故かスケートリンクと化すのだ)
雨で濡れた道路を歩いていてズルっと行ったこともある。
その際に腰を強打したことは白状しよう。
……ん? まあまあ、胴体もダメージ食らっているな。
少し話がそれてしまった。戻そう。
確かに比較してみれば、圧倒的に手足が多い。
なるほど、私は私の身体の挙動範囲を正しく認識していなかったというわけか。
そりゃ、端の方の手足が犠牲になるわけだ。
家にいても、何故かトイレのドアノブ(これだけが通路に突出しているのも理由としては考えられるが)にやたら腕をぶつける。
そのつもりもないのに、ゴミ箱を蹴り飛ばしてしまう。
靴下を踏んですべる。
これは床に散らかしている私が悪い。
その度に私は『何で!?』と叫ぶ。
もちろん、誰も返してくれないが。
自分で何が起きたのかわかっていないのだ。
何故なら自分の意志で動かしたのではないから。
いわゆる、注意力散漫というやつか。
確かに日々の生活においても、見落としや抜けはひどい。それは認める。
そうか、そういうことだったのか。
身体の末端までコントロールできていないのか。
日々、手足が適当に生きているんだな、なるほど。
妙に納得してしまった熊野なのであった。
ところで、コントロールの効いていない手足の動きとは一体どういう動きなのだろうか。
どれ、ちょいと自分が怪我した瞬間を映像に撮って見てみたら面白そうじゃないか。
しかし、事後でそんなものを見ても恐らくへこんで終わるだろうし、そんなアホなことを考えるエネルギーがあるんなら、手足のコントロールに割くべきだと今さらながら気づくのであった。
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