舌の異変

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舌の異変

 2020年4月27日。  私こと熊野は、4月1日より例のあんなこんなの影響で、ずっと自宅勤務をしている。  この日も、そこそこ仕事をし、そこそこ家のことをし、そこそこサボ――。  えふんえふん。  いつも通りの代わり映えしない日。  のはずだった。 「あたっ」  舌が痛い。  食事をするたびに、独り言を言うたびに、歌を熱唱するたびに、舌の左側が痛くてたまらない。  はて、やけどでもしたか、食事中にうっかり噛んでしまったか?  しかし、そんな記憶はない。  うーん。  まあ、しかし口の中というのは傷つきやすい分、治りも早いのだ。  数多くの経験を持つ私にはわかる。気長に待とう。  とは言いつつ、どこをどう怪我したのかは気になる。  ふいっと鏡の前に立って口を開け――目が点になった。  舌がギザギザになっている。 「?」と思われた方がほとんどだろう。  私もそう思った。舌がギザギザって何だ。  しかしそうとしか言いようがないのだ。  証拠にきちんと写真を撮ったが、いくら恥さらしに慣れた私と言えども、口の中を公開するわけにはいくまい。  ということで次ページより、ノートのラクガキみたいなイラストを使ってご説明する。
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