’19.04.29-30 山寺・松島に行く→1日目

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’19.04.29-30 山寺・松島に行く→1日目

 朝4:15、起床。  目覚めはよい。  昨日のうちに、おおよそは荷造りも済ませてある(当たり前だ)。  鏡をのぞくと、やや目が充血しているようにも見えるが、まあ普段こんな早く起きることもないゆえ、仕方ないだろう。特に気に留めることもない。  朝食は、道中買って、新幹線の中で食べる予定だ。  身支度だけして、出ればよい。 ……と思っていたら、あっという間に家を出る時間になってしまった。  まずいまずい、急がねば。  荷物を引っつかんで、再度、各種電源の切り忘れと火の元を確認し、私は家を飛び出した。  戸締りもよし。  さあ、行こう。  朝5時前の住宅街は、シン、としている。  皆まだ寝静まっているであろうこの時間に、1人キャリーバッグを引いて歩く。  普段なら、私だって死んだように寝ている時間なのに。  それでも、向こうの大通りでは、主に運送系の車が走っている音が聞こえる。電車も動いている。  不思議な感覚だった。  私が、普段起きていない時間、過ごしていない時間でも、どこかで誰かが働き、活動をしているのだ。  こうして、思い切っていつもと違うことをしてみて気づくことって、まだまだたくさんあるものだな、と思う。  駅につくと、思いのほか人がいた。  大きな荷物を持っている人もいる。帰省だろうか。  乗るべき電車には間に合った。するりと乗りこむ。  あとは、このままスムーズに大宮まで向かい、新幹線に乗ればいい。 「うん」  私はうなずいて――ふと気がついた。  御朱印帳、家に忘れた。  家を出て、まだ10分余り。  さっそく、やらかした。  昨日、今朝の時点で、頭からすっぽり抜け落ちていたのだ。  お寺で御朱印をもらうんだ、などとわくわくしていたのに、持ち物リストから御朱印帳が抜けるとは、一体どういう頭をしているのか、やはり自分でもわからない。  非常にがっかりしてしまった。  しかし、「おーい、御朱印帳」と呼んで、あの本が「はいはい」と飛んでくるわけでもない。  私は、沈みそうになる気持ちを捨てて、今後どうするか考えることにした。
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