舌の異変

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↓私の代わりに、よくわからない何かにモデルになってもらった。  字と絵のヘタ具合には、目をつぶって頂きたい。6352c666-be26-44e4-8066-b1c58e6ba470  お分かり頂けるだろうか。  普通、舌をべえっと出すと、なめらかなカーブを描く。  それがどうだ。  舌の縁がぐるりと半周、見事なまでに歯型の跡を残しているのだ。  まるで、型を押し付けた後の粘土のようである。  私の舌は縄文土器か。  もしくは、いちご用のギザギザスプーンにも近いかもしれない。  歯で噛んだというよりは、上下噛み締めた歯の隙間に舌が押し込まれてできたように見える。 「何これ」  なかなかに見た目が気持ち悪い。  いや……何これ。  何がどうなってどうしてこうなった?  こんな現象、初めて見聞きしたが……。  私は、何でも左に偏るくせがある。  立っている時も左足に重心が偏るし、咀嚼するときも意識しないと左ばかり使ってしまう。  舌の左だけが痛いのは、例によって何かしらの圧が左に偏ったせいだと思う。  痛みを感じる左側は、特に歯型がくっきりと残っている。  さて、問題はなぜこんな事態が起きたのかということだ。  原因を突き止めないことには、おそらくずっと治らない。  このままでは、せんべいを思いっきり食べることも、家で熱唱することもままならない。  何より、痛い。
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