子供のころ妙に勘違いしていたあれこれ→Vol.2~童謡編~

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 2.井戸にお茶碗描いたの誰?  これは、ピンと来た方も多いと思う。  有名な『ずいずいずっころばし』である。  ♪ずいずいずっころばし、ごまみそずい   ちゃつぼにおわれて、どっぴんしゃん   ぬけたらどんどこしょ   (以下略)  私も、子供のころは手遊びをしながら歌ったものである。  問題はこの歌の最後の歌詞だ。 『いどのまわりでおちゃわんかいたの、だあれ』  これは私も、という方いらっしゃると思う。  はい、『お茶碗描いた』だと思っていた方は挙手。  実際は、『お茶碗欠いた』が正しい。  歌の意味を知りたい方は、ぜひ調べて頂きたい。  私も改めて調べてみたが、なるほどと思った。  隠された意味を理解できるくらいには、私も大人になったらしい。  しかし子供の私は、封建時代の教訓なんぞ知ったこっちゃない。ゆえに、本当の意味を知るはずもない。  子供はいつだって、自分の世界、自分の知識だけを総動員して日々を生きているのだ。  はて、井戸のまわりでお茶碗描いただけで、そんなに指摘されるのだろうか。  前の歌詞にお父さんとお母さんが出ていたから、多分両親にお茶碗を描いたことを怒られたのだろう。  落書きするなってことだろうか。  しかし、一体何で描いたのか、チョークか?  いや、そもそも何で茶碗?  そんなに茶碗がよかったのか、普通のお椀じゃダメだったのか。  わざわざ井戸に行って、怒られるリスクを背負ってまで、茶碗を描きたい衝動にかられたこの子供は一体……。  こんなことを延々考え続け、これといった結論は出ないまま堂々巡りをしていた。  解釈を間違えているのだから、結論なんて出るわけがない。
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