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さて、話を戻そう。
あれこれ考えた結果、私は最初に訪れる立石寺で新しい御朱印帳を買うことにした。
私は、神社仏閣巡りが好きな人間だ。家に忘れてきてしまった本も少しページが残っているが、おそらく今後もあちこち行くことになるだろう。
近々、次の本に行くだろうなあ、と思っていたところである。
むしろ、この購入を機にもっと各寺社を巡ろうではないか、とやや見当はずれなやる気を出す私を乗せて、JR東日本は大宮へ、そして仙台に向かう。
~*~*~
新幹線は、無事仙台に到着した。
時刻は午前9時前。
駅は、すでに人でにぎわっている。
天気は晴れ。コインロッカーも捕まえることができた。
トイレの洗面台で、鏡に映る自分の目の充血具合が進んでいることにやや衝撃を受けたが、取るに足るまい。
私と対峙する人を少し驚かせてしまうかもしれないが、それだって一瞬のことだ。
いざ、山寺へ!
~*~*~
電車に揺られること、1時間ほど。
乗降する客が、自分自身で開閉ボタンを押す、あのシステムを物珍しげにチラチラみる私を乗せて、走る。
都内でも開閉ボタン自体は見たことはあるが、使ったことはない。
初めて、実際に使用しているところを見た時は、驚いたものだ。
と、同時に去年、母と青森に旅行に行った際のことを思い出す。
ボタンのことは知ってはいたが、目的の駅が終点であったため、さすがに自動で開くだろうと私は勝手に思っていた。母は、ボタンのことすらよくわかっていなかった。
駅に到着して、私と母は扉の前に立ち、『さあ出ようではないか』と言わんばかりのどや顔で待機していた。
が、開くわけがない。
結局、横から他の方の手が伸びてボタンを押し、扉が開いた。
あれは、恥ずかしかった。近くの乗客みんなが見ていたはずだ。
私たちは、とんだアホ親子を披露することとなってしまったのである。
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