熊野式ボジョレー・ヌーボー

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 本当にワインに詳しい人なら、その違いもわかるのだろう。  しかし、所詮は熊野だ。  忘れたころにまた買って飲んでは、ああこれだこれ、美味しいなあ、で終わるのだ。それ以上もそれ以下もない。  どちらかというと、旬の食べ物に近い感覚かもしれない(確かに旬の飲み物ではあるが)。  私にとって、マロン系のスイーツとボジョレーと新米は同じ部類に属しているのだ。  毎年ワインを飲み、ボジョレーについて語るほどだから、相当オシャレにワインを楽しんでいるのではと思われたら、それは大きな間違いである。  大体、先に述べたボジョレー知識だって、今回の文章を書くにあたって、あわてて調べたくらいだ。  そんな具合だから、おつまみの選定もゆるい、ゆるい。  一般的に赤ワインに合うとされているのは、肉そのもの、ハムやソーセージなどの加工肉、チーズ、ナッツ類だろうか。  ここで大きな問題が生じる。  ボジョレー解禁の一報を聞くまで、私はこの週末は鍋を食べようと考えていたのである。  それも寄せ鍋だ。野菜と鶏肉を煮込んで、ポン酢で食べる。  ワインと鍋?  しかし、私の頭はもう鍋モードになっている。  切り替えポイントはとっくに過ぎた。どう考えても、このまま鍋のホームに入線するほかあるまい。  だが、せっかく買ったワインも開けたいのだ。  1週間また我慢するのも、悲しい。  結論。  鍋を食べた。ワインも飲んだ。  美味しかった。  以上。  いや、これこそ飲み食いがもたらす幸せだと思う。  好きなお酒を飲んで、食べたいものを食べたらいいのだ。  この酒には、このつまみじゃなきゃ、なんて言っている暇があったら、冷める前に早く食べちゃいなさい。 ↓今年のボジョレー・ヌーボー。その後2本目を購入した。 2e735951-420b-41eb-a6d4-4aa28e3859a2 ↓煮込む前の鍋。ねぎ、白菜(カット野菜)、もやし、えのき、鶏肉、ほたて。  この後、ミニウインナーと豆腐を追加。db487d83-2101-4c3c-a6be-eb08ea31cab7  だしは、エバラのぷちっと鍋シリーズの寄せ鍋味。  味が薄ければ、めんつゆを少し足すといい。  美味しいのだが…野菜の水分とビールで、かなり胃が圧迫された。  この日の酒量。  ビール350ml缶×4本、ワインボトル1/3、ほろ酔い1本。  ……苦しい。
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