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太陽に向かって願う。
明日も、その次の日も。
そして、日々を重ねた先の、次の年も。
また、この綺麗な陽を、この目で見られますように。
皆さまの2021年が、よい年になりますように。
楽しい1年となりますように。
また、お互い、よいお年を迎えましょうって言い合えますように。
朝日をたっぷり浴びた私は、家に帰るべく背を向けた。
対策はバッチリしたが、それにしても体が冷え始めている。
少し体を動かしつつ、帰って温まらないと。
ふと、気になって前髪をつまんだ。
ちょうど眉間のあたり、真ん中だけがわざとそうしたように濡れているのだ。
朝、家を出た時は、こんなではなかったはずだ。
おかげで、私の前髪は中心だけが幾筋にも分裂するという、なかなかみっともない状況になっている。
「あ」
マスク越しに鼻をかいて、気がついた。
マスクと鼻のすき間から息が出て、その水蒸気が冷えて液体になり、前髪を濡らしているのだ。
だから、真ん中だけなのだ。
人体で結露状態である。
なるほど、通りでずっと乾かないわけだ。
外気が冷えている限り、私が暖かくしている限り、この寒暖差は埋まらない。
いいや、このまま帰ろう。
綺麗な初日の出のおかげで、差し引いたっていい元日だ。
ダウンジャケットのポケットに手を突っこみ、私は朝の土手をスタスタ歩いて帰ったのだった。
~おまけ~
土手の南に、何と富士山を発見。
住んで長いのに、ここから富士山が見えるって知らなかった……。
↓川と一緒に撮影。見えるかな……?
↓少しアップ。あまりに見事な白なので、最初は雲かと思った。
![c445ab07-e64f-4f29-b16a-cfceff2fa0b0](https://img.estar.jp/public/user_upload/c445ab07-e64f-4f29-b16a-cfceff2fa0b0.JPEG?width=800&format=jpg)
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