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車を降り、傘を差して雨の中歩くこと15分ほど。
本日のお目当て、瑞巌寺に着いた。
開山直後だというのに、すでに人がいる。
料金を払って、中に入る。
御朱印は先に渡して、帰りに受け取る方式だった。
平成最後の日の御朱印、楽しみだ。
現在の瑞巌寺は、かの伊達政宗が東北を治めた際に、造営したものがほとんどらしい。
寺自体は1200年前の開山とされているが、庇護がなくなり滅しては、別の名前に姿を変えること2回。
江戸時代以降は、伊達家の菩提寺となりしばらく安定するが、明治維新後は廃仏毀釈の攻撃を受けて、これまた大変……。
と、まあ、かなり山あり谷あり、大変な思いをしてきた(?)寺なのである。
そして、東日本大震災もそうだ。
この後、また何枚か写真を載せようと思う。
その中に参道を撮った写真があるが、脇に並ぶ杉が若木なのがお分かりいただけるだろうか。
津波で流されてしまい、新たに植樹したのだそうだ。
瑞巌寺に限らず、松島を歩いたりドライブしていると、あのとき確かに、地震によって被害があったのだということを思い知らされる。
例えば、小高い丘のあたりを走っていても『東日本大震災時、津波到達地点』なんて看板が出てくる。
え? ここまで!?
信じられないような高さだ。しかし、嘘ではない。ここまで来たのだ。
歩いていても、土木工事の途中なのだろう、三角コーンが置いてあったり、途中で歩道がなくなっていたりする。
管理事務所の壁には、海水がここまで来ました、という印がつけられていた。
私の目の高さくらいだった。
女性では背が高いほうだが、そんな私でもおそらくダメだろう。
実際にその土地に足を運び、目で見ると、淡々と事実だけが五感に流れ込んでくる。
それを見てどう思うか、どう感じるかは本当に人それぞれ違うだろう。
つらい気持ちを思い出す人もいるかもしれない。それでも頑張ろうとしている人もいるかもしれない。はたまた、そこまで思いに至らない人もいるかもしれない。
いくら時間が経とうとも、決して変えられない過去が確かにそこにある。
そのことを何も語らずして伝えられたような気がして、私は少しぞくりとしてしまうのだった。
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