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円通院で、景色を堪能したあと、私は瑞巌寺の信号を渡った先、遊覧船乗り場の前にいた。
「……」
雨風は、朝より激しくなっている。
靴にも水がしみ、傘を持つ手が完全に冷えている。4月末の天気とは思えない。
それでも、しっかり傘を持っていないと、振れてしまいそうなくらいの強風だ。
ちょうど、遊覧船が出発する時間が近いようだ。
乗りたかったけど……。
船に向かう人、乗り場で券を買う人、人、人……。
船酔いはしないが、人酔いしそうだ。よよいのよい。
外に出たとしても、この寒さ……。
「うーん……」
予定変更！
遊覧船は今回はなし！
また次回！(←え）
寒い。自分の勘だが、今無理をすると何だか風邪を引きそうな気がした。
いったん、観光案内所兼、待合室に避難する。
ようやく、手の感覚が戻ってきた。
さて、この後どうするか。
時刻はまだ10時半くらいである。
車に戻って、四大観の1つ、富山に行ってみようか。
それから、ゆっくり日帰り温泉で過ごして、仙台に戻るでもいいかもしれない。
そうしよう。
私は再度、傘を握りしめ、風雨の中駐車場へ向かって歩き出した。
途中、例の菓匠三全・松島寺町小路店がある。
……。
もう買うべきお土産は全て買ってある。
寄る必要は全くない、ないのだが……。
気がついたら、私はずんだシェイクを堪能していた。
人生なんて、こんなもんである。
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