’19.04.29-30 山寺・松島に行く→2日目

19/22
前へ
/153ページ
次へ
 お目当てのホテルは、渋滞ゾーンの手前に位置する。  なので、あっという間についてしまった。  駐車場も空いている。  手近なところに停め、支度をし車から出た。  時間にはかなり余裕がある。  ゆっくり温泉に浸かって、コーヒー牛乳でも飲もう。  外は軽い小雨だ。  しかし、エントランスはすぐそこなので、傘はいらないだろう。  ガラス張りの自動ドアに近づいていく。  初めてのところだ。どんな雰囲気だろうか。  私は少し、中の様子を伺いながら、ゆっくり進み――。  足を止めた。  自動ドアの向こう、壁に何か貼り紙がしてあるのが見える。  嘘だと言ってくれ。 『日帰り温泉をご利用のお客様、本日は定休日となっております』。  また定休日!  一の坊が休みの時には、こちらが営業して、こちらが休みの時は一の坊で営業して、とかいうアレではなかった。  むしろ、みんな仲良くお休みのパターンであった。  ここまで来ると、何だかおかしくて笑えてくる。  月曜、火曜は定休日の確立が高いのだろうか?  これはこれで、ひとつ勉強になった。  というより、やはり最低の事前調査はしておかなければいけないということだ。 「……やれやれ」  しかし、ここでぼう然としていても、営業していないものはしていないし、仕方ない。  とりあえず、小雨に当たっていては風邪を引いてしまうので、いったん車に戻った。  改めて、他に行けるところがないか調べてみる。  本日営業している、日帰り温泉――。  約1時間半後。 「……ぷはあ」  私は、座敷で瓶のコーヒー牛乳を飲んでいた。  やはり、温泉はいいものだ。  ホテルではないが、日帰り温泉施設を見つけた。定休日は木曜日であった。  広くもなく、こぢんまりとしたスーパー銭湯、と言った方が近いか。  駐車場が、私が入ったときに空きがラスト1台だったのはラッキーであった。  先ほどまで冷えていた私の手足は温まり、顔はツルツルしている。  すぐに、その上に下地を塗らなければならないのが、悔しいくらいだ。  終わりよければ全てよし。  あとは無事に帰るだけだ。  もう旅行が終わってしまう寂しさはあれど、私は満足であった。  また来ればいいのだ。何度だって来よう。
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加