この親にしてこの子あり→’19.06.22

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 そもそもうちの父は、家族の動向にまるで興味がない。  私や弟が、朝まで帰って来なくても、全く気がつかない。  早朝、からっぽの弟のベッドを見て、 「弟はもう出たのか、早いなあ」  などと言うくらいだ。  いやそもそも帰ってきてないし、と思う私と母だが、言うと一から説明させられて面倒なので、何も言わない。  本人の中で納得しているのなら、そのままにしておけばいい。  なので、まあ事後報告でも問題はないだろうな、と私は思った。  大体、娘宅に泊まると言って、ダメだ帰って来い、と言う度胸のある父ではない。あと、そんな権限もない。 「でもね、多分菜名ちゃんと会うってわかってると思うよ。私は何も言ってないけど」 と母は言った。 「菜名ちゃんと弟に何か買ってあげてって、5000円ずつくれたから」  まあ、しかし……。  私は、歩きながらぼんやり考えた。  これで、今日の時間制限はなくなったわけだ。  長い1日になりそうだ。  私は内心、ふふんとほくそ笑んだ。  ~*~*~  さて、本日の趣旨は、お互いプレゼントを買いあう、である。 「かあちゃん、何欲しいの?」 と私が聞けば、 「うーん……何だろ」  この返事。 「菜名ちゃんは何かないの?」 「んん、まあ、なくはないけど」  見よ、このグダグダっぷりを。  この親にして、この子ありである。  とりあえず、2人の好きな雑貨屋に行って、物色した。  しかし、買おうと意気込んでいるときに限って、これ!というものがない。  結果、成果なし。  2人でああだこうだ言いながら、物を見て回る、ただ楽しいだけの時間となった。
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