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「――さて、」
買い物を済ませて、私は言った。
「どうする?」
一応申し上げておくと、前のページとの間に、私はマンガを買っている。
「んんん……」
母はうなった。
「服がほしいかな」
それを最初に言ってくれ。
「服がないんだよねえ」
母は遠い目をして言った。
「今着てるこれもさ、もう5、6年前買ったやつなんだよ」
引っ張ってみせた袖は、ちっとも古びた様子がない。物持ちがいいにもほどがある。
「じゃあ、行こうか」
服を買いに行くなら、我々がいつも買っている店が、私の家の方にある。
電車で少し移動だ。
時刻は、すでに6時近くになっている。
これは寝不足コースだなあ……。
前日まで仕事だった私も、昨晩は3時間しか寝ていないという母も、体は疲れている。
元気なのは気持ちだけだ。
さて、どうなることやら。
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