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ラザニアとカレーとパンケーキと
我々はその後、だらだらと話をした。
途中、私が弁当用にご飯を炊いたが、その間もだらだらしていた。
それはもう、だらだらした。
夏はどこか行こうかとか、台所のふきんはもう取り換えた方がいいとか、フライパンや鍋がダメになってきたかもとか、しゃもじも取り換えた方がいいとか、そんな話だ。
ちなみに、炊飯器のジャーも、鍋もフライパンも、スポンジで洗うのが正解らしい。裏のたわしの部分で洗ってはいけない。コーティングが落ちてしまうのだそうだ。
そんなことは知らず、私は毎回裏のたわしでごしごし洗っていた。
どうりで、最近フライパンがやたら焦げ付きやすいと思ったわけだ。
母にフライパンを見せると、やはりコーティングは落ちているとのことだった。
「しかも、使ってるのスコッチブライトでしょ?」
と母は言う。
「あれはよく落ちるやつだから、余計ダメだよ」
さすが、主婦歴ウン十年は言うことが違う。
いろいろ試してどの商品がどんな特徴を持っていて、使えるか使えないかをよくわかっているのだ。
私が家を出たときにも、キッチンペーパーはこれがいいとか、コロコロのシートはこれが1番粘着力があるとか、このラップがいいだとか、ウン十年で培った情報を教えてくれたものだった。
「じゃあ、あの緑の部分は何に使うの」
「焦げを落とすときに使うんだよ」
「ほええ」
とまあ、こんな会話を繰り広げたり広げなかったりするうちに、時刻は昼を過ぎた。
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