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お腹はあまり空いてはいないが、我々はお昼ご飯を食べに行くことにした。
昨日行き損ねた、星乃珈琲店である。
今は空いていないかもしれないが、行ったらお腹が空くかもしれない。空かなくても、雰囲気で食べたくなるかもしれない。
少なくとも行かないという選択肢は私にも母にもなかった。
カーシェアを利用して、数時間だけ車を借りる。
車で星乃まで行って、ご飯を食べてデザートを食べて(ここまでで一連の流れとする)、そのまま母を家まで送ることにした。
母と弟の衣服、リュックで大袋2つもある。肩に爆弾を抱えた母にそれを持って帰れと言うのは酷な気がした。
加えて、当日は天気が崩れるとの予報。
私の家から店に寄って実家に行くまででも、道が空いていれば30分強で行けてしまう。決まりだ。
途中、何度か大雨に会った。
「うわあ、ゲリラだゲリラ」
ワイパーを振ってもフロントガラスが真っ白である。
「ゲリラ?」
「ゲリラ、ゴリラ」
「ゴリラ!?」
「ゴリラ豪雨」
「ゴリラ豪雨……」
やはり、車で来て正解だったな、と私は思った。
~*~*~*~
「さて、何を食べましょうかね」
席に着いた我々は、さっそくメニューに手を伸ばした。
時刻は午後1時ごろ。
せっかく来たかった店に来たのだ。お腹が空いているとか空いていないとかは関係ない。もう、食べるしかない。
個人的な考えであるが、いい喫茶店というのは”ドリンク”、”食事”、”デザート”の3拍子揃って美味しい店だと考えている。
本当に美味しいコーヒーを出してくれるお店は、甘いものも美味しい。ご飯だって美味しい。
美味しいご飯をつくれるお店が、美味しいデザートと飲み物をつくれないわけがないではないか。
朝から晩まで、いつ行っても居続けたくなる喫茶店が、私は大好きなのだ。
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