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車に乗りこみ、手を振って正面に向き直り、アクセルを踏む。
バックミラーには、見送る母の姿があった。
突き当たりの角を曲がって、見えなくなる。
1回目に母に見送られたときは明るかったのに、今ではほとんど周りの車はライトを点けている。
「普通に帰ってりゃ、今ごろ家だったかな……」
まあ、考えても仕方あるまい。
それにしても、助手席に放り出したスマホが買い物袋にそのまま滑り込んで、行方不明になるとは。
何だかおかしくなってきて、とうとう私は車内で大笑いした。
やはり、毎日少しずつ、頭のネジをどこかで落としてきている気がする。
「うーむ」
私は1人、ニヤニヤ笑った。
「こりゃ、エッセイに書くしかないな」
~*~*~*~
その後体重を計ったら、3kg増えていた。
一向に戻らない正月太りと合わせて、6kg。
何とか健康診断までに元に戻さねば、と思いながらナスとピーマンとシーチキンの味噌炒めをつまみに、ビールを飲む私であった。
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