ドジの考察

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「普通、そんな頻繁に怪我しないよ」  先日。友人に、私が包丁事件以来大したけがもなく外科にかかっていないのだと、得意げに語ると、こう返ってきた。 「そうか?」 「うん、熊ちゃん(私の呼び名)がおかしい」 「そうか……」  私は、先ほども述べたように、特別自分がドジや怪我の多い人間だとは思っていなかった。  (1つには、そもそも家族全員が同類だからということもあるだろうが……)  しかし、外からそう言われてしまうと、考えてしまう。  そして考えた経過が、今まで書いてきた通りである。  空想やあれこれをぼんやり考えることが好きで、  細かいことは気にしない。  楽しくなると、ノリノリになって、  痛い目に合っても全く反省しない。  何度も同じことを繰り返す。  失敗談も、笑い話にしたくなる、恥という感情をどこかに落としてきた人間。  機嫌さえ良ければ、 「ま、いっか」  これだけ。  これを長所ととるか、短所ととるかは難しいところではあるが。  ぼんやり考えたことを創作に生かすことができて、  情けない話もネタにできて、  それが楽しい。  少なくとも熊野菜名としては、おいしい点のようだ。  そういうわけで、今後とも大いにドジをやらかしていく所存である。
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