ほらあなにあの人たちがやってきた

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ほらあなにあの人たちがやってきた

 2019年12月吉日。  その日、熊野は準備に追われていた。  七輪、切り餅1kg入りが2袋、座布団は4つ。  おもちのお供には、醤油、のり、きなこ、砂糖、つぶあん、こしあん、大根おろし……。  あと、何か必要なもの、あっただろうか?  まあ、いい。何か忘れていたら急いで買って来ればいいだろう。  部屋も暖かくした。加湿器もつけてある。  飲み物はお茶でいいだろうか。  一応コーヒー、紅茶もあるけど……おもちには合わないかしら……。  まあ、いい。何か欲しいものがあるようなら急いで買って来ればいいだろう。  大体、なんとかなるさで生きているような私だとは、皆さんもご存知のはず……だと信じたい……。  約束の時間まで、あと4分。  こうなると、大抵落ち着かなくなって、部屋の中をうろうろし始めるのだ。  座って待つなど、もってのほかである。  もう、来るだろう。  あ、今のうちにトイレ行っておいた方がいいだろうか。  いや、そういう時に限って、トイレ行っている間にチャイムが鳴ったりするのだ。  しかし、意外といけたじゃん、なんてパターンも……。  ピンポーン。  来たっ、来たっ、来たあああ!  私は飛んで玄関まで迎えに行こうとして――。  盛大にずっこけたのだった。 3e6d2807-555a-4b85-bb81-b1fccb53411c  ……茶番はこの辺にして。  こちらは、日頃仲良くしていただいているクリエイター、白鳥武美様が描いてくださったイラストである。  先日のエッセイ『物書きバトン』にて、私のブン投げたバトンを見事にキャッチして下さった方である。  左から順に、秋月一花様、熊野、白鳥様、すいか様。  大変にぎやかなほらあなの様子を描いてくださったので、かなり遅くなってしまったが、こちらでご紹介させていただくことにした。 (※なお、イラストは秋月一花さんの『コビトの美術館』でも紹介されております。)
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