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「さて、何にしようか」
N子とそろってメニューを覗きこむ。
いやあ……迷う。
しかし、ここはフルーツを攻めるべきだろうか。
「決めた! 季節のフルーツタルトにする!」
「季節のフルーツタルトね」
N子が店員さんを呼んだ。
自分の注文を伝え、そのまま私の分まで注文してくれた。
「――それから、奇跡のフルーツタルト」
彼女はそう言い切った。
「??」
普通、噛んだらその瞬間止めて言いなおしたりするだろうところを、N子は堂々と『奇跡のフルーツタルト』と言い切った。
たまらず、ブフォッと吹きだした。
「はい、季節のフルーツタルト」
店員さんのその冷静なマインド、私にも分けてくれ。
何だ、奇跡のフルーツタルトって。50年に1度のタルトなのか。なかなか同時期に採れない果物を集めたのか。
注文が終わって店員さんが去った瞬間――2人して肩を震わせたのだった。
どうでもいい話で盛り上がっていれば、ケーキが来るのはすぐである。
本当にどうでもいい話だったと思う。何故なら何を話したかさっぱり覚えていないからだ。
ささ、来た来た。
食べようではないか。
~*~*~
↓私のブレンドコーヒーと、友人の紅茶。
シンプルなデザインのティーセットがまた素敵だ。
いや、ケーキには紅茶とはわかっているけど……飲みたかったのよ。
↓季節のフルーツタルト。
本当に美味しい。願わくば、皆さまにもぜひ食べていただきたい。![79aca69c-d71d-4c38-bb5e-80e43d4bfcdf](https://img.estar.jp/public/user_upload/79aca69c-d71d-4c38-bb5e-80e43d4bfcdf.JPEG?width=800&format=jpg)
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