キルフェボンのケーキ

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 ケーキを食べ終え、しばらく雑談をする。 「ねえ、」 「あのさ」 「もう1個食べる?」  満場一致。 「すみません、メニュー下さい」  堂々と店員さんに申し出るN子の頼もしいこと。  先ほどのフルーツタルトがあまりに美味しかった。  ここはもういっちょ、果物を食べたい。  うむ、この時期はいちごだな。  N子は、普通のイチゴのタルトにするという。  ならば、違うのがいいかな。  『静岡県産 桃薫(とうくん)のタルト』にした。  桃薫、という名のイチゴがあるらしい。  それから、紅茶。今度はさすがに紅茶。  ダージリンにした……ような気がする。はっきり覚えていない。  ルイボスティーではなかったことは確かである。  ~*~*~ ↓いちごがたっぷり。どちらかというと甘さは控えめ。  しかし、断面にスジが全くない。噛むと、ほろっと崩れる。  なるほど、桃と名付けられるのもわかる気がした。cf4a9eb9-5361-45d4-81f6-dff6082b1141  ケーキを2つ食べ、私は飲み物も2杯注文した。  お代はまあ……それなりにした。  しかし、いいのだ。たまにはこれくらい贅沢したって。  これでいいのだ。これでいいのだ。  お日様は西から昇って東に沈むのだ。 「ここ来て正解だったね」 「やっぱりここは美味しいよ」  ほくほく顔で店から外に出た瞬間、2人して北風に肩をすぼめたのだった……。  ~*~*~  その後、少し街中の店をブラブラしてから、私はN子を東京駅まで送っていった。  高速バスで地元まで帰るのである。  歩いて20分もかからない。  下手したら地下鉄で行くより、早いかもしれない。  銀座とか地下鉄とか言われてもよくわからん、という方は東京駅から行かれてもいいと思う。  八重洲口(皇居の反対側。あの有名な駅舎の方は丸の内方面)を出て、中央通りをまっすぐ銀座方面に行って、銀座一丁目の交差点で右に曲がればすぐだ。  ケーキ好き、甘いもの好きの皆さま。機会がございましたら、ぜひ。
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