家族旅行に行きたい。★

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家族旅行に行きたい。★

 ダークが、 「あれは人生でもトップ5に入る最良の夢の世界だった………」  とルーシーに涙目で感謝を告げた裸エプロン事件(?)から一週間。  絵本も無事続編が完成し、カイルもブレナンも楽しんでくれたし、ダークにも快く作業時間をくれたお礼をして、恥ずかしいながらも大変喜んで貰えて嬉しいリーシャではあったが、現在、少々不満に思っている事があった。  子供も連れての家族旅行と言うのををまだしたことがなかった。  考えてみたら新婚旅行以外は旅に出掛けた事がない。  新聞でようやく列車が開通したというニュースを読んでいた時に、これに気づいてしまった。  勿論、カイルも2歳、ブレナンも1歳にったばかりだから、夫婦だけでは手に負えない事も多々あるに決まっている。  小さな男の子二人なんて、目を離したつもりがなくてもすぐどっか行ってるので油断できない。当然ルーシーやアレックなども連れて行く必要はあると思うが、やはり子供だって屋敷以外のところにも行ってみたいだろう。  自分はヒッキーなので、マンガの原稿を描いたり小説を書いていれば基本満たされているので、屋敷にいてよその人とも会わずに済んで、美味しいご飯が食べられて更には愛する夫と子供たちも側にいる、というこの環境は天国なのだが、子供たちがそうだとは限らない。  普通に暮らした結果ヒッキーになるならしょうがないが、ヒッキー推奨環境でヒッキーの英才教育をするつもりなどないのだ。 ◇  ◇  ◇ 「ルーシー、私、旅に出たいのだけど。家族での思い出作りをしたいのよ」  ペン入れの手を休めて、私は原稿のベタをちまちま塗っているルーシーに声をかけた。 「それはよろしゅうございますね。まぁ最近少しハードに働いておりましたし、家族とのひとときを大事にするのも宜しいかと。仕事は取材旅行という便利な言葉がございますし」 「そうよねぇ。気分転換も必要だと思うのよ。ほら、列車なら1日もかからずに大概のところは行けるようになったじゃない?早めにチケット買って、たまにはゆっくりしたいのよ。1泊か2泊でいいから」 「まあ!素敵ですわね。それでリーシャ様はどちらをご希望なのですか?」  サリーが馬車の車輪を描いていた手を止め目を向けて来た。 「なにしろ近ごろ異常に暑いじゃない?海水浴とかどうかと思うの。カイルもブレナンも海は見たことないし」  釣りはじっとしていられない子供がいては難しいので諦めるとしても、砂山を作ったり、貝をホジホジするのも楽しいと思うのだ。それに子供も浮き輪をつけて泳げば涼しいし泳ぎの練習にもなる。 「海水浴なら、列車で5時間もあれば着いてしまいますものねぇ」  そう、以前は馬車で2日かかっていた海にだって、列車で5時間で着くのだ。素晴らしい。  前世の感覚だとそれでも長時間だなと思うけれど、こちらの国も徐々に進歩しているのだ。 「ルーシー、貴女も子供の世話がてら付いてきて欲しいのだけど………いいかしら?」 「勿論ですわリーシャ様」 「サリーはどう?マカランさんと一緒に」  どうせなら屋敷のみんなで避暑がてら行くのもいいかもしれない、と思った私だったが、 「とんでもありませんわそんなお金のかかること!………それに屋敷の掃除や管理もございますし、夫も出不精ですから残りますわ」 「そう、残念ね………じゃ、皆にも聞いてみましょうか」  思い立ったが吉日と、アーネストやミルバ、ジュリアやアレックにも聞いてみたが、アレック以外はデートしたいからとか、部屋でのんびりしたい、家の事が心配で落ち着かないから、と遠慮された。  その日の夜、戻ってきたダークと夕食後に寝室で海水浴の件をお願いしてみる。 「お仕事も大変だとは思うけど、やっぱりたまには子供たちと楽しく過ごしたくない?ね、お願いダーク」 「うーん………休みは何とかなるんだが、リーシャ、お前も泳ぐのか?」 「え?海に行って泳がないでどうするのよ」  何だか渋い顔のダークに首を傾げた。 「いや、その、泳ぐとなると、水着を着るだろう。リーシャが周りの男にジロジロ見られたらと思うと、想像しただけで不愉快だ」  私は思わず笑った。 「やだわバカねぇ、子連れの人妻を見る男なんか居ないわよ。時間の無駄じゃないの。  海でナンパしたり恋人見つけたい人は、同じように出会いを求めてる女の子同士のグループとかを狙うんだから」 「………そうなのか?」 「私たちはファミリーで行くのよ?ダークも側にいてくれるんでしょ?問題ないわ」 「………分かった、それなら行こうか家族で」  私は嬉しくなってダークに抱き付いた。 「ありがとうダーク!愛してるわ」  ほっぺにチュッチュッとキスをする。 「おう、知ってる。だが俺はリーシャよりもっと愛してるぞ」  抱き締め返したダークがまたキラキラと眩しい笑顔で囁いた。 「………もー、そういうこと言うの破壊力ありすぎるから止めてー」 「俺にはリーシャの愛してるの方が比べ物にならないほどの攻撃力なんだが」 「あー、ダークさん嫁バカですねそれは。お薬つけときますね。お大事に」  ぺろりとダークの唇に舌を這わせると、自分の冗談に少し恥ずかしくなって、 「さてと、私はお風呂入って来ようかな」  と部屋を逃げ出そうとしたが、ダークが離してくれない。 「ちょ、ちょっとダークってば」 「………先生、薬が足りないので追加をお願いします」  そう言うと、ダークは私の口に舌を入れて口内を舐め回し、舌を絡めとられる。 「んんっ、………はぁっ」  気がついたらベッドに仰向けになっていた私は、上からダークに見下ろされていた。 「ダーク………」 「先生、薬が足りなくて、熱も出てきたみたいなんです」  愛撫されながらあっという間に服を脱がされ、胸を揉みしだかれる。 「あ……んっ………それは、大変です、ね………あぁぁっ」  乳首を噛まれて思わず仰け反る。  秘所からは快感に耐えきれずにとろり、と愛液が流れるのを感じる。 「そうなんです。先生も熱は下げないといけないと思いますよね?………あれ、先生も熱があるみたいだ………ぬるぬるした汗が沢山こぼれてますよ」  指で蜜口を弄りながら、そのまま中に滑らせてくる。 「ひゃぅっ、あっ、」 「すごい熱ですよ先生のココ。下げないといけないな………」 「あっ、もうっ、や」  私はもう奥が熱くなって、どうにも収まらなくなってきた。 「熱は、はっ、下げ、下げないといけないわね」 「そうですね。熱、下げましょうか二人で?ねえ先生?」  私の入り口でぬちぬちと音を立てて愛液を擦り付けながら、意地悪をするダークに既に完敗である。 「………お願い」 「んん?何をですか先生?」  蕩けそうな笑みは絶対アレを言わせたがっていると分かる。  やだもう誰よお医者さんゴッコ始めたのは。  ………いかん、私だった。 「熱を、下げたいので………ダークさんの ………太くておっきいので、私にお、お注射して下さぃ………」  最後は羞恥で本当に熱が出たと思うぐらい顔が熱くなった。  しかし、すぐに喜んで叶えそうな勢いだったクセに、いつまでも反応がない。  あれ?と思い閉じていた目を開けると、顔を真っ赤にして、小声で 「あぁうちの奥さん死ぬほどエロくて可愛い。死にそう、いやまだ死ねない、どうしてこんなクソ可愛いんだろうか」  と延々とブツブツ言っている。  自分で言わせといて照れないでほしいわ。こっちも余計恥ずかしいっちゅうのよ。でも私もう余り待てないんですよ旦那様のせいで。 「………ダークさんがお注射してくれないなら、他の人にお願いし」 「絶対ダメだ!」  くぷっ、と音を立て、ダークのモノが性急に挿入される。 「んんっ!」  暴力的なまでの突然の快感に挿入だけでイってしまう。 「先生は俺だけの先生だよ?誰にも渡さないから」 「あっ、あっ、ダーク、お願い、イっちゃったの、っ今動かないでぇ」  抽送を止めないダークを必死で止めようとする。ああダメだまたイきそう。 「また変になるっ、止めっ、あぁぁっ」 「っ、先生、クソそんな締め付けたらもたないっ!………うっ、出るっ」  ズン、と最奥に白濁を放つダークの脈打つモノが私を更に高めてしまう。 「あぁっ!」  最後に身体を反らしてしまう私をダークが強く抱き締めた。  一回のエッチで三度もイかされてしまうとは。息を整えながらも、ふと考えた。 「………ねぇダーク?………」 「うん?」 「貴方近ごろやけにテクニックが上がってるような気がするんだけど、まさか娼館とかで鍛えたりし」 「まさか!俺が変わった訳じゃなく、リーシャが前より感度が上がったんだ。………それに、その、中も俺の形に合うように変わってると思う」 「………ガバガバになったの?大変だわちょっと」 「違う!ぎゅうぎゅう締め付けるんだが、ちゃんと形に沿ってる感じがする。俺だけのモノだって気がして幸せなんだ」  すりすりと嬉しそうに胸に顔を埋めるダークは、女の私が腹立つ位に美しい。そして神々しいほどの妖艶さである。 「………海水浴って、他の女性が山ほどいるんでしょうね………あー見られたくないなー。だってこんな男前だし筋肉スゴいし!」 「相変わらず俺のことイケメンだと思ってるんだな。お前の美しさの方がよっぽどヤバいんだが」  ダークが苦笑した。 「言ったでしょ、私は前世では並以下だったの。同じように転生した女性がいたら、ダークが誘えば即堕ちだからね?本当なのよ?」 「リーシャが格好いいと思ってくれるだけでいいし、他の女に興味ない。  それに、しつこいようだが俺はこの国では超不細工だから安心しろ。モテる事なんか一生ないさ」 「モテてるじゃない私に。激モテなのよ?」 「俺のモテ期はリーシャ限定だからな。………ところでな」 「ん?」 「水着は絶対にビキニはダメだぞ?ワンピースタイプのヤツだけしか駄目だ。足もスカートみたいの巻くヤツあるだろう?アレがいい」 「パレオ?いや、別にいいけど、泳ぐときは溺れるから脱ぐわよ?」 「………それは仕方ないけど、陸では必ず着けてくれ」 「うちの旦那様は嫉妬深いですねえ」 「うちの奥さんも割と嫉妬深いと思うぞ?」 「んー、否定できないわ。ダークは私のだから誰にもあげたくないの。ようやく手に入れた私の太陽だから」  ぎゅっと抱きついて、ダークの匂いを嗅ぐ。安心できるいい匂いだ。 「リーシャも俺の月だから誰にもやれないな。悪いが俺が死ぬまではどこにも行けないと思えよ?」 「言ったわね。責任持ちなさいよ?ダークは私がシワシワのババアになっても面倒見るんだからね」 「おう」 「ところでね………」 「ん?」 「そろそろお風呂に入りたいんだけど私」 「奇遇だな、俺もだ」 「だったらこのお尻に当たるモノは何」 「不思議だな。リーシャへの愛が溢れてムスコも元気になる。さっきの先生バージョンはなかなか燃えたな。今度は教師と生徒の禁断の恋バージョンというのはどうだ?俺が先生な」  うちの旦那様はイメクラ好きですか。  ………仕方ない、惚れた弱みだわ。とことん付き合いますか。 「ダーク先生、私、実は以前から先生の事が好きでした。せめて、せめて卒業してしまう前に一生の思い出に抱いて下さい!」 「待てリーシャ、君は生徒で俺は教師だ。いくら魅力的でも、生徒に手を出すなど………」  まだまだ夜は長かった。
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