0人が本棚に入れています
本棚に追加
3
ご飯を食べ終わり、私はデザートにバルトが持ってきたプリンを食べていた。バルトはニコニコしながら、私の食べる姿を隣で見ている。
「バルト君はプリンを食べないの?」
食べにくく感じて、バルトに話しかけた。
「うん。僕にはメインディッシュが残っているから」
「メインディッシュ?」
「そう!」
バルトは立ち上がって小さい体で私を後ろから抱きしめた。びっくりしたが、母親に甘えているような感覚なのだろうと思い、されるがままになった。
「琴絵さん、あのね。前に雨の日が好きだからピクニックするって僕言ったよね?」
「うん」
「あれね、嘘なんだ。本当は…」
「…本当は?」
「晴れの日には外に出られないんだ。日の光を浴びると、消えてしまうから」
「え…」
「僕は…吸血鬼だから」
「いたっ」
突然、首筋に痛みが走った。だけど、それは一瞬だけでどんどん頭がぼんやりしてくる。
「バ…ルト…」
意識がなくなっていく中、私は彼の名を呼んだ。
「琴絵さん、大好きだよ。永遠に」
少年でなく大人びた寂しい彼の笑顔を見て、懐かしく感じた。もっと見たいと思っている感情を無視し、私は意識を失った。
最初のコメントを投稿しよう!