ストレスフルな一日

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ストレスフルな一日

『10月生まれのあなた。残念ながら今日は何をやってもうまくいかない一日になるでしょう』 「ゲッ、なんかイヤな感じ」  思わずテレビの占いに反応してしまう。 『そんなあなたのラッキーアイテムは、金の延べ棒だよ!』 ──金の延べ棒なんて、どこにあるんだよ。  朝の情報番組でおなじみの占いキャラクターが示したラッキーアイテムに呆れ、そそくさとテレビの電源をオフにした。 「いってきまーす」  一人暮らしでもとりあえずの挨拶。そういえば最近、ケンタが家に来なくなったなぁ。この玄関から一緒に出かけていた頃の二人を思い出すと、懐かしさの混じった寂しさが胸を駆け巡った。  ただでさえ遅刻しそうなのに、最上階で停止したエレベーターが降りてこない。 ──ちょっと、早くしてよね。  焦って踵を踏み鳴らす。 「うそっ?!」  昨日買ったばかりのストッキングが伝線している。最悪……。もう履き替えに戻る時間もない。会社のトイレまでずっとこのままだ。恥ずかしいなぁ。  ようやく到着したエレベーターに視線を移し溜息。まさかのすし詰め状態。階段で降りるしかないな。7階からだよ。最悪……。乗らない意思を伝えるために小さく会釈。はぁ、ストレスが溜まる。
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